四柱推命（しちゅうすいめい）は、中国に起源を持つ占術で、誕生時の干支を基にして、運命や性格、未来を占う方法です。この占術は、中国の古典的な陰陽五行思想に基づいており、現在も広く使われています。

歴史

四柱推命の歴史は、中国の唐代（618年～907年）に遡ります。初期の四柱推命は、李虚中（りきょちゅう）という占い師が発展させたとされており、彼は誕生日の年、月、日を基に運命を占う方法を開発しました。この時点では「三柱推命」と呼ばれていました。

その後、徐子平（じょしへい）という人物が「時間」を加えて占う方法を完成させ、「四柱推命」として確立されました。これにより、年柱、月柱、日柱、時柱の四つの柱を基に占うことが可能になりました。この方法は、時間の柱を加えたことでより精密な運命判断ができるようになり、四柱推命としての体系が整いました。

基本的な占い方法

四柱推命では、以下の四つの柱（四柱）を用いて占います。

1. 年柱: 生まれた年の干支を表し、主に幼少期や家庭環境、親との関係を示します。
2. 月柱: 生まれた月の干支を表し、主に青年期や仕事、社会との関係を示します。
3. 日柱: 生まれた日の干支を表し、主に本人の性格や結婚、家庭生活を示します。日柱の天干は「日干」と呼ばれ、特に重要視されます。
4. 時柱: 生まれた時間の干支を表し、主に晩年期や子供との関係、晩年の運勢を示します。

この四柱を基にして、**十干（じっかん）と十二支（じゅうにし）**の組み合わせ（干支）を求め、さらに陰陽五行の理論を適用して運命や性格を分析します。

これで分かること

四柱推命によって分かることには、以下のような内容があります。

1. 性格分析: 四柱の配置によって、その人の本質的な性格や特徴を読み解きます。たとえば、日柱の天干（日干）はその人の性格や行動パターンを強く示します。

2. 運勢判断: 四柱推命は、一生を通じた運勢を読み解くことができます。特に、大運（たいうん）や歳運（さいうん）などの周期的な運勢の変化を分析し、幸運や困難の時期を予測します。

3. 相性診断: 二人の四柱を比較することで、相性を判断することができます。恋愛や結婚、ビジネスパートナーとの相性などを見極めるのに利用されます。

4. 健康運: 五行のバランスを見て、健康状態や体調の良し悪しを占うことができます。特定の五行が強すぎたり弱すぎたりすることで、病気の傾向や体質を予測します。

5. 職業運: 四柱の構成から、その人に適した職業や仕事での成功の可能性を判断します。

まとめ

四柱推命は、古代中国の陰陽五行思想に基づいた占術であり、個人の運命や性格を詳細に分析することができます。長い歴史の中で発展してきたこの占術は、人生のさまざまな局面を見通すための強力なツールとして、多くの人々に利用されています。

陰陽五行思想は、中国の古代哲学の一部で、宇宙や自然、そして人間のあらゆる現象を理解し、説明するための基盤となる理論です。この思想は、四柱推命や風水、医学など、さまざまな分野で広く応用されています。

陰陽思想の歴史と基本的な考え方

歴史

陰陽思想は、紀元前4世紀頃の中国に起源を持つとされています。古代中国の道家（道教の思想家）や儒家（儒教の思想家）によって発展され、後に様々な学問や占術に取り入れられました。

陰陽の概念は、『易経』や『老子』といった古典にも記されています。陰陽は、宇宙のあらゆるものが相反する2つの側面を持っていることを表しており、これらは常に変化しながらバランスを保っているとされています。

基本的な考え方

陰陽とは、全ての事象を「陰」と「陽」という2つの性質で捉える考え方です。これらは相反する要素でありながらも、互いに依存し、補完し合います。具体的な例としては以下のようなものがあります。

• 陽: 男性、光、昼、動、暖、外、明るい、上昇
• 陰: 女性、影、夜、静、冷、内、暗い、下降

このように、陰と陽は対立しているように見えますが、一方が欠けると全体のバランスが崩れるため、常に相互に作用し合っています。

五行思想の歴史と基本的な考え方

歴史

五行思想は、紀元前5世紀から4世紀にかけて中国で発展しました。五行の概念は、『尚書』や『易経』などの古典に見られ、特に『黄帝内経』という中国医学の古典において重要な役割を果たしています。

基本的な考え方

五行は、自然界を構成する5つの基本的な要素を示しており、それぞれが特定の性質や役割を持っています。五行の要素は以下の通りです。

1. 木（もく）: 成長と発展、春、風、酸味、緑
2. 火（か）: 熱と炎、夏、熱、苦味、赤
3. 土（ど）: 安定と育成、季節の変わり目、湿気、甘味、黄
4. 金（きん）: 収縮と整理、秋、乾燥、辛味、白
5. 水（すい）: 流動と滋養、冬、寒気、塩味、黒

相生相剋の考え方

五行の間には、相互に助け合う「相生（そうしょう）」と、抑制し合う「相剋（そうこく）」の関係が存在します。

相生（そうしょう）

相生は、五行が互いに助け合い、育て合う関係を示します。この関係は循環的であり、次のような順序で行われます。

• 木生火: 木が燃えることで火が生まれる。
• 火生土: 火が燃えた後に灰（土）が残る。
• 土生金: 土の中で金属が生成される。
• 金生水: 金属が冷えると水滴が生じる。
• 水生木: 水が木を育てる。

相剋（そうこく）

相剋は、五行が互いに抑制し合い、バランスを保つ関係を示します。この関係も循環的であり、次のような順序で行われます。

• 木剋土: 木の根が土を突き破る。
• 土剋水: 土が水をせき止める。
• 水剋火: 水が火を消す。
• 火剋金: 火が金属を溶かす。
• 金剋木: 金属の斧が木を切る。

まとめ

陰陽五行思想は、中国古代の哲学から生まれ、宇宙や自然、人体などを総合的に理解するための理論として発展しました。陰陽思想は、全てのものが対立する二元性の中でバランスを保っていることを示し、五行思想は自然界の変化や相互作用を説明するための要素を提供します。

相生相剋の考え方は、これらの五行がどのように関係し合い、互いに影響を与え合っているかを示しており、これに基づいて四柱推命や風水、東洋医学などが成り立っています。この思想は、今もなお多くの分野で応用され、日常生活に影響を与えています。

四柱推命における「空亡（くうぼう）」は、特定の干支（えと）が空亡に入ることを示し、その期間の運気に影響を与えるとされています。以下に、空亡の出し方とその意味について詳しく説明します。

空亡の出し方

1. 空亡の計算方法 空亡は、以下の手順で出すことができます。

• 干支のサイクル: 空亡は、十二支（子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥）のサイクルに基づきます。空亡のサイクルは、約60年ごとに巡るとされ、一般的には「12年ごと」に関連しています。

• 空亡の基本的な干支: 空亡には、一般的に「戌（いぬ）・亥（いのしし）」または「丑（うし）・未（ひつじ）」という組み合わせが使用されます。例えば、以下のような空亡の組み合わせがあります：

  • 戌・亥（いぬ・いのしし）空亡: この組み合わせの空亡は、特定の年や大運に影響を与えます。
  • 丑・未（うし・ひつじ）空亡: こちらの組み合わせも、別の空亡の影響を示します。

• 干支の配置: あなたの四柱（年柱、月柱、日柱、時柱）の干支を基に、空亡の影響を判断します。空亡に入る干支が、個人の四柱のどこに位置しているかによって、その影響を考慮します。

2. 空亡の確認手順

1. 生年月日から干支を求める: 自分の生年月日から、年柱、月柱、日柱、時柱の干支を求めます。
2. 空亡の干支との一致を確認: 自分の干支が空亡の干支と一致するかどうかを確認します。例えば、空亡が「戌・亥」の場合、自分の干支に戌（いぬ）や亥（いのしし）が含まれるかを調べます。
3. 空亡の期間をチェック: 空亡の期間（例えば12年ごと）が自分の運気にどのように影響するかを確認します。

空亡の意味

1. 運気の停滞と不安定さ

• 運気の停滞: 空亡の期間は、運気が停滞しやすくなり、物事がスムーズに進まないことがあります。計画が中断されたり、目標達成が難しくなることがあります。
• 変化の困難: 新しい挑戦や変化を試みるのが難しく、現状維持が基本となることが多いです。

2. トラブルや障害の増加

• 問題発生: 空亡の期間中は、予期しない問題や障害が発生しやすくなります。特に対人関係やビジネスでのトラブルが増える可能性があります。
• ストレス: 日常生活や仕事でのストレスが増える可能性があり、注意が必要です。

3. 健康面への影響

• 健康リスク: 健康面での問題が発生しやすくなるため、体調管理や健康維持に気を付けることが重要です。
• ストレスの影響: 精神的なストレスが健康に影響を与える可能性があるため、リラクゼーションや趣味を通じてストレスを管理することが大切です。

空亡の活用法

1. 計画と目標の見直し

• 空亡の期間中は、大きな計画や新しい挑戦を避け、現状維持を基本にすることが賢明です。計画の修正や小さな目標に集中しましょう。

2. 慎重な行動

• 重要な決断や投資を避け、リスク評価を慎重に行いましょう。予期しない問題に備えて、柔軟に対応できる準備をしておくことが大切です。

3. 健康管理とストレス対策

• 健康管理やストレス対策を行い、体調とメンタルの両方を整えるよう心がけましょう。

まとめ

空亡は、運気に大きな影響を及ぼす重要な概念です。空亡の干支を確認し、その影響を理解することで、運気の変化に適切に対応し、リスクを最小限に抑えることができます。自分の干支が空亡に入る場合は、計画の見直しや慎重な行動、健康管理に注意を払いながら過ごすことが大切です。